アジアで影薄い邦銀だが
http://www.ft.com/cms/s/1/c9b7c488-dd8e-11dc-ad7e-0000779fd2ac.html
一日遅れですが、昨日のFTのLex Column
邦銀によるアジアでの買収は少ないが、3メガで公的資金の返済が終わったのが1年半前。MUFGのシステム統合は統合後2年経っても未完了。加えて、邦銀には、合併に付加価値を与えるようなスキルやシステムがない。アジアの金融機関の方が付加価値を高めており、邦銀にとっては合併を成功させるためのハードルは高いといった説明。
システム統合のところは、日本では預金者に提供するサービスのレベルが高いこと、たとえば、預金通帳にオンラインで取引内容を記帳するサービスを維持する賦課が高いといわれているが、このあたりをマスメディアに説明した方がよさそう。
で、最後のくだり。融資の伸びが低く、人口の高齢化も進むことで、日本国内にこだわることは、長期的には邦銀のオプションではない。サブプライムローン問題で苦しむ欧米の金融機関が中国の銀行への出資やその他アジア向けの投資を処分するようになれば、その買い手が必要になる、と。
この最後の可能性は、魅力あるオプションかもしれない、と、モルガンスタンレーが傘下のファンドを使って天王洲のシティのもつビルを約480億円で購入することとなったと報じる今朝の日経を見て思った。FTによる邦銀への叱咤激励か。付加価値がないといわれているところも何とかしなくては。